一つの事業が成功するには、いろいろな経営要素が集まってなるものだが、その中心をなすのは、人と人との問題である。
経営者と従業員の調和協力がなければ、事業は決して成功するものではない。この経営者と従業員の調和は、何によって生まれるのかと言えば、その根本は責任感だと思う。
経営者としての責任感、従業員としての責任感が自覚され、仕事がそれにともなって進行すれば、事業は必ず繁栄する。
しかし、ひと口に責任といっても、経営者に7分、従業員に3分の責任があると考えてよい。
それゆえ、経営者の責任というものは、はなはだ重いわけである。
(松下幸之助著『仕事の夢 暮らしの夢』ー7分3分の責任感 ー実日新書142頁)
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(江口克彦のコメント)
松下幸之助さんは、「経営の責任は、経営者7割、従業員3割」と言っています。また、別のときには、「失敗は、社長一人(いちにん)の責任。成功は、社員のお陰」、すなわち、「経営の成功は、経営者3割、従業員7割」ということでしょう。
この「3割・7割の原則」は、大抵の場合に、当てはまるようです。例えば、どのような正しいことであっても、必ず3割の人たちは、反対し、批判し、あるいは、陰口、悪口を言うものだということです。
ということは、他人が自分を批判し、悪口を言っている場合も、それは、3割で、残りの7割は、「静かな味方」であると、開き直って思ってもいいかもしれませんね。
それはともかく、経営者が経営の責任を社員に転嫁するのではなく、経営失敗の7割は、いや、すべての責任は、自分に責任があると自覚している経営者の会社は、苦境に強い会社、不況にも強い会社だということでしょう。
経営者に経営失敗の責任を、いっさいを引き受ける覚悟、7割の責任、10割の責任をわが身一身に受けとめる覚悟あらばこそ、社員は経営者を尊敬し、その徳に、なにがなんでも応えようとするのではないでしょうか。
経営者の、そのような覚悟が、全社員の和親と切磋琢磨と正義を生み出し、その結果、会社の成長発展をもたらすのではないかと思います。
松下幸之助は、事に当たり「深刻に考えず、真剣に考える」ことが経営では大切であると言っています。
自分でコントロールできないことを手放し、コントロールできることに集中するということではないでしょうか。
しかし、何事も一人で解決するには限界があるといわれています。一緒に解決策・打開策を考えませんか。