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第4回 続々・松下幸之助の経営心話      【会社が大きくなるか、成長するかは、世間さまが決めること】

どこまでも堅実に大きくしていきたいというのは、私の願いでもあり、みなさん(若い社員たち)の希望でもあると思う。


しかし、私たちの仕事は、いつも社会と共にあり、社会と共に進んでいくものである。従って、私たちの務めに欠けるところがあったならば、いかに私達が希望しても社会がこれを許さないだろう。つまり、どこまで大きくするかという(君たちの問いに対する私の)答えは、私達の働きの態度を見て、社会が決めてくれるということである。


みなさんにしても、私にしても、産業人としての正しい心がまえに立って仕事をすれば、際限なく会社は発展するであろうし、反対に、真の使命を忘れたならば、世間が松下電器の存在を許さなくなるのであって、大きくするかどうかの決定権は、世間にあるということである。


それだけに、私たち松下電器の従業員は、常にお互いの心がまえを厳しく反省し、いつも謙虚に誠実に、仕事を進めて行かなければならないと思う。

(昭和30年  若い社員たちとの座談会での話)


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(江口克彦のコメント)


松下電器が大きくなるかどうかは、松下電器の私たちが決めることではなく、世間さまが、社会が決めることだ。松下幸之助さんらしい答え。なるほど、と合点します。


だからこそ、社員は、松下電器の社員として、常に反省、常に謙虚、常に誠実に、常に正しい道を歩めと、若い社員たちに話しています。


この話は、私との雑談でも、よく出てきましたから、こういう考え方は、松下幸之助さんの血肉になっていたのだと思います。


このような話を、繰り返し繰り返し、社員に話して、社員に自覚を持たせた。それに加えて、社会の求める「いいものを、安く、たくさん」つくり、不良品は出さず、不正会計、データ改ざんなどは、絶対に起こさず、社員たちは、例外はあったとしても、社会の期待に応えるべく、宝塚歌劇団ではないですが、「清く、正しく、美しく」、日々の仕事に取り組んだということです。

会社が大きくなるかどうか、それは、社会が決める、世間様が決める。その言葉の裏に、「松下幸之助の絶対的自信」のあることが読み取ることができる話でもあります。

2026.03.01
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投稿者

江口 克彦

講師 江口 克彦

松下幸之助のもとで23年間、直接指導を受ける。 現在、経営者塾を主宰して、松下幸之助の経営哲学の講義を続けている。札幌の「松翁会」、名古屋の「壷中の会」など全国数ヶ所で行われている。            内閣府 沖縄新世代経営者塾 塾長、憲法円卓会議 座長、内閣府 イノベーション25戦略会議 委員、内閣総理大臣諮問機関経済審議会 特別委員、松下電器産業株式会社 理事等を歴任。

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