1年ほど前に、あるお問い合わせをいただきました。「オンラインでやっていらっしゃるコーチング講座を受講したいが、子どもがまだ小さくて時間に余裕がありません。子どもが大きくなるまで、あと10年くらいは難しそうです。何か他にコーチングを学ぶ方法はないでしょうか?」といった内容でした。
そんな状況でも、コーチングにご関心を持っていただけたことをとても有り難く思いました。最近は、自分のペースで学べる通信教育講座もあることなど、できる限りの情報提供をさせてもらいました。
ところが、なんとこのAさん、気づけば、直近で開講するオンライン連続講座に申し込んでくださったのです。「時間を取るのが難しい」とおっしゃっていたのに、よく決断されたなと正直驚きました。
もっと驚くことは、この後のことです。全8回に及ぶ連続講座を一度も欠席することなく修了されたのです。それだけでなく、修了後も、講座修了生に自ら呼びかけて、オンライン自主勉強会を始められました。最近は、他の研修会にも積極的に学びに行かれている様子で、折々、その体験を修了生に共有してくださっています。ますます活動的です。
「10年くらいは時間が取れないんじゃなかったんですか?」と思わずツッコミたくなるご様子は、1年前にお問い合わせいただいた時とはまるで別人のようです。
「今はとてもそんなことをしている時間がない」と思うことは、私もよくあります。でも、本当にそうなのでしょうか?「今は仕事が立て込んでいるから」、「子どもがまだ小さいから」、いろいろと時間がない理由はありますが、「そう思い込んでいるだけなのでは?」とAさんの現在のご活躍ぶりを見ると考えさせられます。
実際、このような方は案外多いのです。例えば、私のクライアントのBさんはフルタイムで働きながら国家資格の取得に挑戦されました。はじめは「夜は疲れて勉強できない」とおっしゃっていましたが、実際に始めてみると、通勤時間の15分や朝の30分を活用するようになり、1年後には見事に合格されました。「やる!」と決めたことで、家事も効率よく片付けられるようになったそうです。
時間がないからできないと考える一方で、時間がないからこそ、チャレンジすることで、新たな思考パターンや行動パターンが身につくことがあります。新たな学びを得たり、共に学ぶ人から刺激を受けたりして、時間をうまくマネジメントできるようになることもあるでしょう。AさんやBさんはその典型的な事例を見せてくださっていると感じます。
松下幸之助は、事に当たり「深刻に考えず、真剣に考える」ことが経営では大切であると言っています。
自分でコントロールできないことを手放し、コントロールできることに集中するということではないでしょうか。
しかし、何事も一人で解決するには限界があるといわれています。一緒に解決策・打開策を考えませんか。