あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年も、コロナ禍にありながら、数多くの研修や講演のお仕事をさせていただき、まこと
にありがとうございました。心から感謝申し上げます。人が密に集まれない時期だからこ
そ、コミュニケーションはますます重要となります。何が起きるのか一寸先がわからない
時代だからこそ、コーチングがますます求められます。そのことをいっそう実感した1年
でした。
制限がある働き方が求められる中でも、以前よりも仕事がしやすくなったという職場もあ
りました。かえって、職場の雰囲気が良くなり仕事の効率があがった、話しやすい職場に
なって提案や相談が増えたというお声もたくさん聴かせていただきました。こういうお話
を聴くにつけ、本当に効果が高いこととは、実はとてもシンプルで些細なことなのではな
いかと思わされます。
例えば、朝、職場に出社したら、大きな声で明るく挨拶をする。当たり前のことと言えば、
ものすごく当たり前のことです。しかし、顔を合わせた全員にいつも笑顔で声をかけてい
るかというと、案外、徹底できていなかったりします。
他にも、呼ばれたらまず感じよく返事をする。ちょっとしたことでも、「やっていただいて、
ありがとうございました。助かりました」と感謝の言葉を伝える。問い合わせやメールに
はできるだけ早く返答する。仕事が終われば、「お疲れ様でした」と労う。リモートワーク
であっても、毎日決まった時間にオンラインを繋いで挨拶し合う。人の話は笑顔でうなず
きながら聴く。など、とてもシンプルなことばかりですが、こういうことの積み重ねが非
常に大きいのではないかと感じます。
これまでとは環境が変わり、仕事がやりにくい中で、どんな対策をうっていくのかに頭を
悩ませている組織は多いと思います。考えてはいるものの、「やっぱり簡単に打開策は見
つからないですよね」と、考えるだけで終わってしまうこともあります。考えても何もし
なければ、当たり前ですが何も進展しません。何か斬新な解決策はないものかと考えがちで
すが、シンプルで些細なことを蔑ろにしてはいないでしょうか。
組織が人と人との集合体であることを自覚している組織は、人として人を尊重する当たり
前のことに取り組んでいます。こういう組織が逆境もチャンスに変えているように感じま
す。人の話は最後まで聴く。否定しないでいったん受けとめる。良いところに目を向け、
言葉にして伝えていく。そんな些細かつ非常に効果が高いことを、今年もお伝えし続けて
いきたいと思います。
松下幸之助は、事に当たり「深刻に考えず、真剣に考える」ことが経営では大切であると言っています。
自分でコントロールできないことを手放し、コントロールできることに集中するということではないでしょうか。
しかし、何事も一人で解決するには限界があるといわれています。一緒に解決策・打開策を考えませんか。