「会社が倒産するのは、周囲の原因にあるのではなく、自社に原因がある。周囲に衰退、倒産の原因を求めるのは、お門違いだ」というようなことを、松下幸之助さんがたびたび言っている。
実際、組織が崩壊消滅する要因は、おおよそ、4つに絞られる。
一つ目は、「成功体験をいつまでも繰り返す」ということ。例えば、ある商品がベストセラーになると、そればかりを製造販売し続ける。しかし、当然、関心のある消費者は、関心のある消費者を超えて存在することはない。だから、必ず、商品には寿命がある。当然である。それを、いつまでも、その商品をつくり、販売し続ける。おおよそ、その商品がベストセラーになる直前に、次の新商品を準備し、新商品の販売戦略を立て、発売するべきである。そういう手順を実行してこそ、事業は成長発展するものであろう。
二つ目は、「現状を続ける」ということ。現状は、人にとって、「甘い蜜」。現在、自分がやっていることが、一番楽。楽だから、現状を改善をしたくない。だから、今のままのほうがいい。だが、それが、いうところの「座して死を待つ茹でガエル」。事業は衰退の一途を辿ることになる。かつて、松下幸之助さんが、工場で自分が考案した製品と、2,3年、同じ製品を造っているのを知って、激怒し、その製品を担当責任者に突き付けて、「この製品のどこにキミがあるんや!」と叱責したことは、あまりにも有名である。「日に新た」という言葉を松下さんは、よく口にしたが、現状に澱んでいては、組織の崩壊は必定であろう。
三つ目は、「馴れ合いになる」ということ。時間、金銭、人間関係等に馴れ合いになると、周囲から信用されなくなる。時間を守らない、金銭感覚がマヒする、人間関係がルーズになると、組織内で、不正、弛緩が蔓延する。「あいつ、カラ出張をしているけど、まあ、それ以上に業績を上げているから」となれば、「カラ出張をしてもいいんだ」と全社員が思う。それが組織の瓦解に繋がる。結果、不正会計、不正データ改ざん事件が起こる。
四つ目は、「虚栄に走る」ということ。経営が厳しいのに、スポーツイベントのスポンサーになったり、経営陣が高額なクラブの会員になったりする。全社員の気が緩む。まさに、組織の崩壊に直結する。
こう見てくると、組織崩壊、企業の衰退は、松下幸之助さんの言う通り、すべて、内部の要因である。経営者は、よくよく、そのことを認識すべきであろう。
松下幸之助は、事に当たり「深刻に考えず、真剣に考える」ことが経営では大切であると言っています。
自分でコントロールできないことを手放し、コントロールできることに集中するということではないでしょうか。
しかし、何事も一人で解決するには限界があるといわれています。一緒に解決策・打開策を考えませんか。