日頃から大変お世話になっている製薬会社様の入浴剤を、久しぶりにお会いする方にプレ
ゼントした時のことです。その方は、思わず絶句して、私が手渡した箱をじっと見つめて
いらっしゃいました。その後、お話しされた内容に、私もとても驚かされました。
「私、しばらく入院していたんです。余命宣告までされて、もう死ぬんだと思っていまし
た。手術後、この会社の薬を処方され、これが劇的に効きました。そのおかげで、今日、
こうしてここに来ることができているんです」
そんなご事情があったとは、まったく知りませんでしたので、ただただびっくりしました。
お元気になられて、こうしてまたお会いできたことが、心底嬉しく感じられました。こん
なふうに、誰かの人生を変える製品を作られている企業様とご縁をいただいていることに
も有り難い思いが湧いてきました。すばらしい貢献をなさっている企業様だとあらためて
思いました。
ある時、この企業様の工場で働いている方のお声を間接的にうかがう機会がありました。
「日々の忙しい業務の中で、時々、ここで働いていることが虚しくなる」とおっしゃって
いたそうです。そんなふうに感じている方に、ぜひ、命を救われたこの方のお声を届けたい
と思いました。目の前の地道な作業をずっと続けていると、時には虚しい気持ちになるこ
ともあるでしょう。「あなたが作られているのは本当に尊いものなんですよ」ということ
をぜひ知っていただきたいと思いました。
私の仕事は、コーチングや研修を通して、目の前の人の変化や成果、感謝の気持ちに直接
触れる機会がわりと多い仕事です。それはとても恵まれたことだと思います。一方で、ま
ったく顔の見えない方から、拙著の感想コメントが届くこともあります。「この本に出会
って人生が変わりました」といったお言葉をいただくと、苦心して書いてよかったと救わ
れる気持ちになります。
どんな些細なことでも、自分の仕事で喜んでくれている人がいるとわかると、日々の苦労
が報われるものです。このようなお客様の声や表情が伝わると、仕事のモチベーションも
格段に変わるでしょう。日頃から、もっと伝わる機会があるといいなと思います。
そして、これは、外部のお客様に限ったことではないようにも思います。自分がやった仕
事で助かっている人がいる、喜んでいる人がいることが、もっと社内で共有できると、仕
事のパフォーマンスはかなり上がるのではないかと思えてなりません。
松下幸之助は、事に当たり「深刻に考えず、真剣に考える」ことが経営では大切であると言っています。
自分でコントロールできないことを手放し、コントロールできることに集中するということではないでしょうか。
しかし、何事も一人で解決するには限界があるといわれています。一緒に解決策・打開策を考えませんか。